時間漫歩

 

 午後から下町の方へ出かける。
 夕方。みるみるかき曇って雨。真っ暗になる。
 それでも、濡れそぼる路地裏をうろつく。
 空襲でも焼け残った地区。
 きっと往時も、今も、ここのこの雰囲気、
 この空気の感じは、さほど変わらないんだろうな、つんで。。
 路地裏をあてもなく歩くと、時間の流れからわずかに離脱できる。
 「今、生きてる」とか、「今、なになに」っていう「今」っていうのが、
 なんか煩わしいのだ。
 ここは、時間からも自由な場所。