ジャケ買い失敗の具体例 その1 "Geoffrey Folder"

 みなさんこんばんわ、ジャケ買いされてますか!? 僕のジャケ買いは連戦連敗で、もう近頃はほとんどしなくなっちゃいました。しかしネットで知り合った音楽好きの方々から、高名な評論家諸氏に至るまで「ジャケ買いは良い」ないしは「なかなか良い」と結構肯定的だったりするのですね。それは達人の余裕みたいなもんだったりするのでしょうか? 僕の美的感覚の問題でしょうか? それともみなさんのジャケ買いって裏ジャケの文字情報も含むクレジット買いでもあるのでしょ〜か? 今日は実際に僕の失敗ジャケを挙げてみよーと思います。

 どうですか? モスグリーンの背景に白いジャケットを着こなし、おどけたポーズで花ささげ持つ黒人・・・粋人かただのひょうきん者か、ギリギリの線を行くナイスキャラです。グリーンとジャケットの白、淡いブルーとピンクの遊んでるタイポグラフィと、本当に美しい配色。この黒人がまじで酔生夢死な男としても、なにやらただモンではない風格や品格の気配すら感じちゃいます(笑)。あんま似てないけどジミージュフリー3とか思い出したりしちゃいました(参考図版A)。 '54録音のオリジナル盤、ジャケの紙質も異常に肉厚でがっしりと重厚、デラっとしたコーティングに(男の帽子のところ、はがれではなく、テカりです。かなり、テカってます(笑))、盤も贅沢な程の重量感、手にした瞬間「これは良い」と思わせるグーなフィーリングに溢れております。
 が、内容は割と普通なスティールパンにちょっと変わった唄といった感じでして(テネシーワルツのスチールパンカバーだけちょっとイイ)・・・その手のコレクターとかではなけりゃ、用の無い代物ですなァ〜。しかし半世紀以上昔の音盤がなぜか今ウチのプレーヤでくるくると回ってるこの感じ、不思議ですなあ。いい加減に耳を傾けつつナイスジャケを眺め、ぼんやりと灌漑にふける・・・そんな風に楽しめば良いのかな。いろいろアホみたいにレコードを買うようになる前は、気に入らない盤でも、それに合うシチュエーションを探したりとか、なんとか良いところを探そうとしたり、そうやって音楽ソフトを(能動的に)楽しむ頭と心と暮らしの余裕があったよなァ・・・いつかまたそういう(自然な?)気持ちで音楽を楽しめる日がやってくるのを祈りつつ、筆を置きたいと思います(笑)。