Marlena Shaw "from thedepths of my soul" '73

 二日連続で黒人女性のレコードを紹介、パッと見ソウル好きのようで、全然僕はニセ者です(笑)。しかし僕的にはマリーナ・ショウのこれも、ソウルコーナーにあるレコードの中では長時間触れても「被爆」しない貴重なレコード。ブルーノートからのリリースで、期待通りソウル半分ジャズ半分てな雰囲気です。
 しかしこの唄声はなんでしょう、物凄い説得力ですなァ〜。ぼんやり聴いているとなんでも言うことを聞いてしまいそうになる、一ヵ月で英語マスター!のCDセット数万円でも買わされそうな、恐ろしく魅力的で虜になる唄声です。
 あいかわらずバンドの演奏は猫科グルーブのしなやかさ。そしてこのストリングスの甘美さはなんなのでしょう、ソウル門外漢の私にとって、この底しれない、得体の知れない甘美さは驚異的です。美しくエレガントなようでどこか下世話で押し付けがましく、清らかで気品に満ちているようでひどく卑俗で猥雑な気もします。路地裏の暗渠を黄金色のシャンパンが猫の死骸と汚穢とダイヤモンドをいっしょに浮かべて流れているような、あるいは、うら若い乙女の泪に南アルプスの天然水に汗に精子もぎたて檸檬の果汁を一雫。といった意味分からなさ(すばらしさ)です!!! いや〜黒人てエレガントですね〜