すきすきスウィッチ "忘れてもいいよ" '83

 最愛の国産NWバンド。右のオリジナルはソノシート5枚組という変則的なリリース。90年に出た再発CDは若干未発表曲収録。ドーラウ以来2枚目に取り上げるNW盤だけど、これもドーラウ盤っぽい、僕の感覚をいつも確実にリセットしてくれる一枚。ただでさえスカスカなNW盤の中でも頭3つ4つ飛び抜けてスカスカ、このうえなくチープで、陳腐。そしておそろしくポップで、確実に頭の中をぐるぐるする(無意識で口ずさんでしまう)曲がぎちぎちに満載なのです! 
 しかし、おそらくは「NWが嫌で嫌でたまらん!」てな常識的、良識的音楽ファンにとっては「NWの嫌なディティールを大集合させたような盤」と思います(笑)。なんで聴いちゃダメです(笑)
 しかし昨今のNWリバイバルで、NWが新鮮でたまらんってな若いリスナー(僕もおっさんだけど、一応再評価世代なのよ(笑))には是非聴いていただきたい盤。チープかつダーティで粗暴なリズムボックス&シンセ使いは、プラスチックスを可愛いまま小汚くした感じ(笑)、あるいは(数年前CD化して好事家を喜ばせた)フレンチ・エレクトリック・パンクのメタルアーベインとかに酷似! XTC、Gang of 4的にジャギジャギ・カッティングが前のめリに脱臼する分裂症ギター。そしておそろしくポップなメロディに乗った乾いたユーモア&風刺(歌詞は完璧ポストモダンニューアカ影響だな(笑))。僕が「ポップ」と想起する「何か」をいつも簡単に越えていく、これぞ『ポップ想定外』状態(笑)。
 はっきり言って、この盤知ってて「好き!」ってな方、御連絡ください〜(笑)。この素晴らしさを分かち合える人が(彼女以外に)いないのです(泣笑)。