Billy Mitchel "Might be Hope"

 前に、ものの本で「米のラビ・シフレ」なんて紹介されてて、ラビ・シフレのフォーキーな初期盤と比較してるんだと思うんだけど・・・(そんな似て無いような・・・)。全編しなやかなグルーブに貫かれた、躍動感あふれるSSW盤。かなりサイキーな色合いも特徴で、深いエコーや、シタール、突然のサウンドコラージュが飛び出したりもする。サイケつっても全然辛くなくて、むしろ甘いし、ネガティブなとこもない。サイケ味より躍動感の方が際立ってるんで、軽い気持ちで聴けますね(笑)。
 レイドバックした素朴フォークロックから、突然グルービーに暴れ出すA-1からただモンではないと思わせる。めちゃくちゃらな本能スキャットも、なにやら血が騒ぐね〜。つま弾かれるシタール&フルートのラーガ&スピリチュアルなイントロから、やはり一転(このパターンばっか)、暴れ狂う狂騒アコグルーブ大作A-2も圧倒的です。テルミンみたいなのは鳴り出すわ、エコーがかったフィメールボイスのコラージュ、そしてビリー御大のご登場! しゃかりきにかき鳴らすアコギとコンガの乱れ打ち、本能のままに繰り出されるスキャットも加わり、ほぼスタジオ狂乱状態(笑)。内省的なブルース曲をはさみ(これもかっこいいよ)、Aラスのタイトルチューンも激グルービーな爆走アコ・グルーブ(笑)。
 B-1は引きずるような低重心グルーブが快感な、埃っぽい&スワンピーなファンキーロック。B-2が人気曲"Waterfall Walk"。それまでのナイス・アコグルーブに、+フルートの爽やかな味付けが美味な、キャッチーさ満点な仕上がり。名曲名演です。アコギとピアノの響きが美しいB-4も、ほんとにメローで良い曲。エコー成分&滋味をたたえたVoも心地よくて、『おっさんになったアルゾ』ってな雰囲気(誉め過ぎかね〜!)。よく考えたら、この前の『秋セレクト』にでも入れりゃ〜良かった(笑)。
 と久しぶりに聴き返してみたら、かなりおいしい所満載なSSW盤なんで、試聴よろぴく。