Dan Jenks "Say No More" '81

 よ〜分からん人。宗教系なのかも知れないが詳細不明のSSW。その昔「メローで透明なSSWならなんでも欲しい!」ってなマイブームの絶頂期に手を出した盤(笑)。ジャケのしゅ〜っとした面構えからも想像できる、中性的でまろやかな歌声、美しくつつましやかなフォークサウンドがつまった、メローネス&透明感溢れるSSW盤です。
 久しぶりに聴き返しておりますが、やはり初めて耳にした時同様、アコースティックな音の響きがすばらしい! どこを切っても清流のようなアコギ、フルートなどが美しく流れ出す。とくにアコギの響きは格別で、フレットノイズや神経質なくらいに弦が金属的にきらきら、ぎらっと響くのが快感。 それからメロディには英国フォークっぽい感触がそこかしこに・・・コレは好みが別れるところかな。
 ゆる〜いスイングA1から引き込まれる。アコギ、コンガ、フルート、エレピと黄金のカルテットが紡ぎ出す、しなやかな透明感&メロウネス。そこに囁くような線の細いダンさんの歌声が加わると・・・ギミックなしのナチュラル・サイケデリック体験つーか、メローな音の桃源郷。ストリングスを交えて躍動するA2もすごいね。アコギ弾き語りのA3も本当にきれい。アコギとチェロの豊かな低音がナーバスなくらい美しく響くA4も、迷路をさまようなメロディをおっかける、あっという間の5分間。
 エレピが加わるグルービーなB1も、一聴して惹き付けられる曲。くるくるひらひらと宙を舞うような素晴らしい感触。コンガとシャカシャカアコギのグルーブ、B3も、すごい透明感なんで、格別なり。ゆるくスイングするB4も、聴き返してみたら最高だったね(笑)。
 やはり、アコースティックな『音』そのもの。楽器の鳴りの神経質なくらいの美しさ、儚ない脆さにヤられる、素晴らしいSSW盤と思いました。