John T.Lutz "Midnight & Dawn" '76

 カナダのSSWのようです。Philoレーベルってフォーク系なんでしたっけ?、個人的には何と言ってもドリス・エイブラハムスのあの名盤を思いだしますが・・・。これは特に派手なところは無いんですが、線の細いVoのナイーブな雰囲気、メローでドリーミーな感触の良曲ばかりで、実は数年来の愛聴盤だったりします。プリAORと言ってもいいような内容なんですが、何かとても繊細で、気分はモダンな感触の都会派SSW盤といった雰囲気。鼻につくような土臭さや、埃っぽさが一切ないし、都会的なセンスで紡がれる、優しくて、穏やかなメロディ。鍵を中心にした、ちょっとひねくれたアレンジ(モダンポップ的)もとても良い塩梅でありやす。
 ドリーミーでオールドタイミーなA1、グラマラスな雰囲気と繊細さが同居する不思議なA2も、どうにもクセになる個人的名曲。美しいエレピとアコギのバラードA3も、透明で切なくて、大好き。A4が個人的にはベストトラック、甘く切なく、メローこの上ないプリAORチューン。本人のはなかなげなVoと、うっすらとした女性コーラスが絡む様、様々な楽器が、カラフルに繊細に響きあう実に素敵な一曲です。瑞々しいB2もいいし、程よいレイドバック感覚のB3も素敵。優しくて繊細、そして(決して嫌みではない)都会的なセンスが素敵なSSW盤だと思いますヨ。ナイス湯加減!