Tony /st '75

takaoxida2006-04-08


 誕生祝いとして、さるお方にトニーのレコードをナニしていただきました。ハワイのSSWの、あのトニーです。前々からその評判は、本なんかで目にしていたのですが・・・今回、実際に聴いてみて、期待を超える実に素晴らしいその内容に感激しております。あまりに素敵なので、ここのところ、そればかり聴きいてますw。
 
 たまにベース、パーカッション、バイオリン、ハープ、コーラスなどがあっさりと味付けする程度で、全体の印象は、アコギ弾き語り中心の、ごくごく簡素で、ひっそりとしたメローフォークといった趣。
 ただ特殊なのが、全体の甘口でメローな感触とは裏腹に、享楽的であったり、なにか心をざわつかせたりする感じとは無縁で、むしろ、知らず知らずに、耳を澄まさせるような、精妙にして、峻厳な佇まいというか・・・どんどんと音楽に引き寄せられ、深く沈みこんで行くような内省的な感じであったり、まるで音楽を通じて、自分と対峙させられるかのような、不思議な孤独感というか、静けさがなんとも言えません。
 耳触りは、このうえなく心地よいのですが、その不思議な感覚が、いったいなんなんだろう?と、気になってついつい再生してしまいます。こういうのが、音楽の魔法というか、魔力とでもいうのでしょうか?

 北の地方のSSWにあるような、静かで、ゆっくりとしみ込んでくるような沈静的作用。それから忍耐強く己の音楽と向き合う、厳しさのようなもの。(ハワイなんだけど)なぜか、そういうものが強く感じられます。そういう、アーティストの音楽と向き合う強い(強い?)姿勢というか、核心部分を、包み込むように、ゆっくりとハワイの甘く穏やかで、湿潤な空気が流れているという・・・。なんとなく、そういう感じです。それがなんなのか、結局のところよく分りませんし、当然今の自分には、上手く説明できないのですが・・・なんだか、とても得難い感じだけは、強烈に伝わってきます。
 聴いてるこっちも、弛緩してるような、緊張してくるような・・・なんともいえない、不思議な心地良さに包まれます。

 実に素敵な誕生祝いをありがとうございます。(音楽を聴く)体質が変わっちゃいそうですヨ(笑)。