観音さまへお参りに

 さわやかな秋晴れ。
 午後。おらが村で作付け面積断トツno.1を誇る田んぼ名人k爺先生と、観音さまに会いに行く。すでに緊張していて道程何度も小さなミスをくり返す。
 とある近代的なビルヂングの一室に通されると、へやのすみに小さな観音さまがいらっしゃった。ラベンダー色のカーデガンを着た観音さま。
 1時間半ほどの時間、観音さまと同じテーブルにつき、同じ時間をすごす。信じられない。想像以上に緊張しまくる中年。滝のような汗が噴き出し、じきにおさまり、ものすごく体がつめたくなった。こっぷのお茶を飲む。

 どんな話をしていたか、ほとんど覚えていない。最後の方には、四方山話で観音さまが爆笑していたのは覚えているのだが、どんな内容だったかのか、全然思い出せない。うおっっ、今、こっちを見ておられる。とか。今、観音さまがこっちを見て微笑んでおられる!とか。そんなコトを考えて過していたら、頭が変になりそうだった。とても自分の感激を計り切れなくて、なにがなんだか分らなくなる。
 ワタスみたいなモンは、「あるバンドの物語り」なんかを読んでいて、つい観音さまのコトを身近な人のように感じ、知っているように錯覚してしまう部分があるのだが、当然だけどそんなこと向こうは知ったこっちゃないし、大勢のワタスのようなぜんぜん知らない人から、知られ、勝手に身近に感じられ、観音さまもとてもたいへんなコトだと思った。

 最後に、持参したレコードに、サインをしてもらった。「このシングルの写真が、珍しくはしゃいでる感じに映っていて、とても好きです」とかなんとか。それを聞いて、観音さまは笑っておられた。また余計なコト言ってしまい、後悔する。
 「どこに描きますか?」「もうどこにでも、いかようにも。ぜひよろしくお願いします」・・・ぬぉおお。差し上げた名刺を見て名前を書いてくれている。観音さまがワタスの名前を書いている。今死にたい。今、この気分のまま死にたい☆とか思ったまま、その後の記憶がなくなった。




Sunshower(紙ジャケット仕様)
 ところで観音さまの初期作は、それぞれイイところがあって、とても愛着があるんだけど、この2ndはとてもかっちょイイ演奏がイイところです。それについて、いかようにかっちょイイかは、ワタスのお知り合い随一の名人、マー名人の詳細な解説をお読みください。→http://blog.livedoor.jp/soulbass77/archives/2007-10.html#20071016