都合とは無関係に桜が勝手に咲く



 はれ。
 ちかごろ。
 川沿いの桜並木が、わけのわからない勢いで一斉に咲きはじめた。
 なんや、気候だかなんだかの諸条件が、いろいろアレしたこのタイミングなのだろうけれども。
 そんなの知ったことか。下をとおるたびに、わけのわからない気分になる。
 おれの気分とは全く無関係に、勝手にわけのわからない白〜ピンク色のだいばくはつ。
 かえりみち。ぐったりして下を通る。ちょうちんの灯りに浮かび上がる、ふしぎな道。
 えもいわれない、わけのわからない気分になって、気のせいのように気分がほぐれる。
 それにしても、わけがわからない気分。

 昔の同じ時期の日記など、すこし目をとおす。
 白金ドラゴンレーダー作戦。外山恒一。ああもう一年前なのか。
 なんなんだ自分はなどと、ひとしきり。昨日のことみたいだ。
 それから、桜のことなど。
 アートだインスタレーションだ、などと見せられたところで、
 どこかしらじらしい気がしてしまうのは、日本には桜があるからだ、
 という思いは、今も変わらない。 
 今年も桜を観察しよう。桜を感じる自分を観察しよう。