赤ん坊




 くもり。
 肌寒い、白っぽい一日。
 お昼から里に出て、家族たちと会食。みんな勢ぞろいするのは久しぶりだなあと思う。ワタスを生まれたころから知っている家族たち。血を分けた親兄弟たち。今はバラバラに暮らしている。こうしてたまに会ってみると、もうこの先、どんどんバラバラになってゆくだけなのかな?などというコトを思い出したりする。 いや、そうバラバラでもないのかな?いや、やはりバラバラなのかな。。顔を見ながら不意にそんな思いにとらわれる。
 夕方散会。嫁とそこいらを適当にうろつくなど。すぐ陽が落ちる。
 よる。帰宅。コーヒーを淹れる。洗濯。たたいてほす。
 それから、ぐにゃっとする。

 兄弟の子供をだっこした時の、小さくてやわらかくて生暖かい感触がまだ残っている。
 だっこしたとき、ぉおお、と思った。ぉおおの内容はよく分らないんだけども。
 ぉおお、赤ん坊だ、すげえなあと。
 今こうして、ワタスがレコードを聴いたりアホみたいな日記を書いてる時にも、
 あの赤ん坊がどこかで息をして生きてることを思い出すと、
 うーーん、となる。