秋の水鏡

 

 昼から嫁と銀輪下町行。
 三河島あたりで休憩して墨田川越えてなんちゃらかんちゃら。
 今日は寒かったけど、さわやかに晴れわたってきらきらしていた。
 結局いつもと同じようなトコを観て廻る。表情が豊かでやっぱ下町は飽きないつんで。
 秋の陽はつるべ師匠つんで。夕暮れ時に川を渡って戻ってくる。ちょー寒い。
 浅草寺を通りかかると、人だかりが出来ていて、なんかどちゃどちゃしていた。
 見物しようとしたら、土産物屋の店先にて「地下足袋が銀輪向きではないか?」つーので、嫁がいろいろ物色。
 外人用の土産なんだろうか?ソールの生ゴムまで全部真っ黒のやつとか、なんか妙にナウい
 結局、なんですごい人出でどちゃどちゃしてたのか、よく分らなかった。一瞬、デーモン小暮閣下を見かけた。
 上野まで戻って、豚肉を揚げたようなアレを食して帰投。センタク及びサンパツ。
 
 「ぬばたまの音溝たどる秋の水」などと、どこぞの頭のおかしい人が詠んでいたのを思い出した。
 あれからもう一年かよ、早ぇえよ、つんで。
 秋の水辺は妙に落ちつくので、今日も橋の上で何回かぼんやりしてしまった。
 人が下りて行けないような川っぺりに、謎のオジサンがいた。
 ゴミを集めてるのか、ずっとうろうろしているんだけど、たまに汀で立ち止まってじっと川を覗き込む。
 飛び込むんじゃないかと、はらはらしてしばらく眺めていた。