荒川

 

 めずらしく午前中から出かける。嫁と下町へ。
 荒川を眺めながら、ボサーーとする。

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 ああ、遠くのビルがきらきら光ってるなあ、とか、
 ああ、水が流れてるなあ。なんか、よくよく見ると、ちょー水が流れてるなあ。
 無気味なほど流れてるな。。でけえ川。だとか。
 よく晴れて気持ちのいい天気だったけど、風を遮るものもなく寒い。人もいない。
 閑散としたところに、ただ膨大な光がふりそそぎ、膨大な量の水が流れている。
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 あっ団地だ!とか、あっ煙突だ!とか、
 あっカラスだ!、あっ伝書鳩だ!、あっクレーンだ!、あっ凧揚げのおっさんだ!とか、
 遠足の子供のように、いちいち動物じみた条件反射をくり返しながら、
 なんも考えず川を遡上していくと、、、気づくとなかなか上機嫌だった。