武田百合子 『日々雑記』

 最近の便所本。故武田泰淳の奥さんですな。大文学人の奥方らしい鋭敏で細やかな感性と筆致、と思いきやたまに飛び出す「デパートでの金持ちと貧乏人考察」とか「カラスがカア」だの「美空ひばりを観に行って泣いた」だの「映画観に行ったら前の人の頭がでかくて観えないだの」、「死ねばいいのに」だの、ばーさんなのに女子高生か!っつーようなミーハーさと言語感覚が最高です。