Fred Raulston "Open Stream" '79

 ビブラフォンの人らしいですが、詳細は不明です。レーベルがNYのインナーシティってのと、全然名前の知らない人だったので、試聴してみたら・・・なんとなく良いモノのような気がして(なんだその理由)買ってみた盤。とにかく手数の多いビブラフォン、ドラムス、パーカス数種、ピアノ、ベースたちがアッチへ行ってはドンガラガッシャン、コッチへきてはコロコロピョンピョンと落ち着きのない演奏。ただ全くグルーブが無いかというとそうでもなくて、しいて言えば『脱臼グルーブ』とでも言おうか・・・グルービーとフリーキーを行ったり来たりする感じ。キップ・ハンラハンなんかを聴いてても似たモノを感じます。「オマエらの思い通りにグルーブするか!」という憎たらしい感じ。 「アレってどんなだっけ?」とついつい気になっちゃうので、意外と棚の手近な場所に留まる、「気になり盤」です。パーカス乱れ打ちの原始的土着グルーブと都会の理性みたいなモン(いー加減)が激烈に火花を散らす大作B-1。ピアノの不協和音の不穏なイントロから高速スイングへ! 投げ付けるようなピアノのフレーズ(相変わらず不協和音)と、ひたすら前のめりに踊り狂うビブラフォンが、疾走するビートの上でせめぎ合うA-1、A-5あたりはなかなかクセになりますゾい。A-4のモーダルなスイングもビブラフォンの硬質な響きがエレガントなり。