Peter Thom /st '72

 ブルーの澄んだ瞳の真直ぐな視線が印象的なポートレイト。なにやら、ただモンじゃない強い意志を感じます、一歩間違えたら爆弾でも作りそうな(笑)・・・
 のちにAORファンに知られる「ファークライ」を結成する人のソロSSW作品。なるほど全編アコースティックなこの頃からシャープなリズム感覚と、ジャズ影響が濃厚な、いかにもなNYメイド。(僕が普段聴いてるのに比べると)ややビターな唱い口と、アルバム全体に横溢する、真夜中のカフェ(詩人やら芸術家のサロン的)みたいな雰囲気が、そういう気分の時に「これこれ」と思わず手がのびちゃいます。
 跳ねるアコギとうっすらと流れるオルガン、哀愁を帯びたメロディが秋の真夜中の空気にそっと忍び込むシャープ&ビターなA2、パーカスやタブラのリズムにアコギとコントラバスが不思議なメロディを奏でるA3、滋味と優しさに満ちた真夜中のアコギ弾き語りB2、B6。いい匂いのする空気の秋の夜にでも聴いてみたい。