tour

takaoxida2005-10-22

 今日は歯の治療のため、昼過ぎから実家に帰省。自分の診療が始まるまで時間があったので、故里の町を流れる川沿いを散歩した。時折小雨まじりの重苦しい曇天の下、人気のない河川敷の砂利道を歩く。天候のせいもあり、本当に人気がない。


 遠く鉄橋の下で、雨を避けながらバーベキューをしている数人、鉄橋の下に住み着いている浮浪者一名しか見えず、あたりは侘びしげに静まり返っている。対岸の遠くの方に、なにか工場が操業する機械音、吐き出し続ける白い煙り、淀んだ川の流れ・・・一級河川の中〜下流域の間延びした風景が、いやがおうにも気分を重くする。あれこれと物思いに耽りがちだった。
 こうして誰もいない砂利道を歩いていると、自分独り世界から取り残されたような、人生の敗残者になったような・・・むくむくと沸き上がる、不思議な甘い諦念に捕われる。「侘びしいなァ」なんて、つげ義春みたいに心の中で呟いてみたくなる。


 
 どーしょーもなく、センチメンタルだったので、花の写真なんか撮ってみた(笑)。秋桜と書いてコスモス・・・あーちきしょー、センチメンタルだぜ(笑)。
 曇天と黒く淀んだ川の流れ。音も色も無い景色の中に、秋桜の色彩だけが揺れて、周囲の重く無表情な空気に滲んでいた。河川敷に並んで放置された廃車に、浮浪者が住み着いていて、その浮浪者が育てていた秋桜と思う。