Raulzinho "A Vontade Mesmo" '65

 個人的に、トロンボーンとか、バリトンサックスとか、どっちかというと鈍重で小回りのきかない管楽器を、いとも軽々弾きこなすプレイヤーに惹かれてしまうんですよネ。フュージョン期のリーダー作なんかを多く見かける、ブラジルのラウル・ヂ・ソーザも、トロンボーンを自由自在にくるくる弾きこなすイメージを持ってます。これは名手セザール・カマルゴ・マリアーノ、アイアートなんかをバックに吹きまくる爽快盤ですネ。
 コンピにも収録されたA1など、暖かくも太っといトロンボーン音色が、切れ味鋭く鳴り響く様は、ホントかっこいい。バックも揃って名手なんで、恐ろしい躍動感をもった快演になってます。コンガを交えた曲なんかも、前へ前へと転がりまくる疾走感が素晴らしいです。もちろんスロー曲でも、太く暖かいトロンボーンの音色が如何なく発揮されていて、夢見心地。B5がとっても美しいな。