からっぽのこころを満たす転落するアレ




 気が向いたのでチャリで田んぼへ。
 異常なひかりに包まれたいつもの坂を走り下りると、まるでお湯に飛び込んで行くような感じだった。首や肩を通り抜けていく空気がどろりと熱を帯びて、触覚的に温度を感じとる。手で触れ掴めるような温度がすぐそこにある感じ。温度の壁にぶつかって、ひるみ難儀しながら、熱の壁を切り裂き、チャリをこぎ前進する中年。いろんなモノがひかり輝き、目が眩む。
 熱のせいでおぼつかない日中の印象。意味のないコトをくり返してたような気もする。
 夜。いりAさんの詩人っぷりに感心。うだがわら先生とおたくっぽいアレな談話。なるほどー。

 夜。なんちゃら花火大会とかいうアレの帰りの客で、電車が込み合う。浴衣の女。それから、ホットパンツの女。そんな女だらけ。流行ってるんですか?熱パンツ。石を投げりゃーホットパンツに当るってか。浴衣だのホットパンツだの着用のうえ、みなみなさまお誘い合わせて大規模火薬爆発を見物ですか。ごくろうなこってす。
 肉々しい食事をテイクアウト、帰宅して食す。

 昨夜聴いてたら、何となくいい気分になったレコードの話でも書こうかなと思って、さっきまた聴き返してみたら、なんかイマイチだった。集中力が続かない。うわのそら。なんちゃらバテだろうか。今もーれつにぐにゃぐにゃしている中年。

 考え事に身が入らない。とりとめなくどうにも収拾つかん。そして、どうでもいいアレコレがからっぽの心の中に流れ出し満たし始める。

 都会はアスファルトやコンクリで出来ていて、人間の垢、汗、排泄、その他各種分泌物をはじき返す。その点、田舎より都会の浮浪者の方が難儀だと思うが、都会の生産力の集中と余剰が浮浪者を養っている事を考えると、仕方ないことなのか。
 風景を思い出しながら、どうでもいいコトが頭をよぎる。
 自分が浮浪者まで凋落した時のコトを頭のどこかで準備しているのかしら?