ぐにゃぐにゃした夜だから




 よる。
 田んぼからチャリで帰還(畦道を)。夜風が寒い。しんみりした匂いがする。

 それから。
 疲れたので、だいたいイスの上でぐんにゃり。なんもする気にならず、人の日記を(何回も)読んでぽや〜〜〜んと過す。


 「一人で部屋でハムを食って酒を飲みました、イイ夜でした」。

 そうだよなぁ。静かに、素直に、そのように書いて寝ればよいのだ。あたりまえをじっくりと味わえばいい。あたりまえのコトをあたりまえのように出来ない中年。いろいろ失格。今頃、国境のなんちゃら河の北朝鮮側に潜み、南への越境の機をうかがう小さな家族も、同じ明るい月を見上げているのかも知れないよなぁ。


 「幼稚園中に有名になったコレクターまーくんは母親に叱られまくるが知るかそんなもん。
 ある日、親切なおばさんが牛乳屋のゴミ箱から袋いっぱいの牛乳のフタをおれにくれた。べたついたへんなにおいがする牛乳のフタの塊り。
 おれはなぜか、泣きたい気持ちになった。
 あの、世界が腐って壊れてしまう感じ、を、おれは求めてCDを聴いているだけなのかもしれない。」

 世界が腐って壊れてしまう感じ、を、求めてCDを聴く。
 こういうふうに、いつか、自分のコトを、自分のことばで伝えられる日がくるのだろうか?ぐにやぐにゃ中年に。
 
 あと、真夜中になるとイヤダさんの同じ日記(最終更新の)を(何度も)読みに行ったり。よく御自分で「意味不明」と書かれているが、その同じ日記を何回も読みに行く中年も、それ以上に意味不明なんですから、それほど悲嘆するコトもないのではないでしょうか?ここはひとつ。
 
 それからケイビー先生は、雨の日に抱いて持ち帰ったリンゴと犬の二つのレコードの話。
 そうか、ジャケで聴いてみようかしら。と、取り出した一枚のソノシート