(オストデカイ)

はれる。
いちにち、むやみやたらと寒い。
田んぼ会議などありつつ、今日もごくろうさんでした。
帰ってくるなり、所定の位置に、くにゃっとなる。

99に寄る。歯っかけさんに出逢う。パンを買う。
今日の歯っかけさんは悲しそうな顔をしていた。
歯っかけさんは、会うと二回に一回くらいは、悲しそうな顔をしている。
白いシャツを着ていない時だ。
そういう時の歯っかけさんは、
国境の川を越え、いましがた北から逃げて来た人みたいでもある。
(バカにしてるワケじゃない。二つに分類するならワタスもそういう感じなのだから。)
疲れた表情で、伏し目がちで、くすんだ肌つやで、しょぼっとしている。
歯から抜ける音にも、勢いがない。
心配である。疲れているだけなのか。

でも、そうやって、(何も知らない)他人のコトが、ふと心配になったりする、ほんのつかのま。自分の中の人らしい心(のようなもの)を、ワタスはやっとこさ思い出す(いたって自分勝手)。

そのパンなど食っていると日付けかわる。

イヤダさんの最新日記は止まってしまったが、
ひとりアーカイブ(旧作復刻)は更新されている模様。
ワタスは、ワタスが愛する全ての人たちに、イヤダ日記を薦めたいと思っている。
それから、どこかで偶然イヤダ日記を知り、夢中になっている知らない人と、知り合ってみたい。
そして、ただ、「イヤダ日記すごいイイよね」などと、言っていたい。
くにゃっとしたまま、ふけゆく真夜中。もう、それだけで満足じゃないか。
「歯っかけ」「イヤダ日記」の前では、ワタスのような人でさえ無欲だ。無償のなんちゃらだ。
あなたはいま、何を前にした時、無欲になりますか。(←うっせいよ誰なんだよ)



そういや、アンリ・サルバドール爺さんが亡くなったらしい。
なんだか、うすら寂しいですね。