クルクルパーがクルクルのまわりをクルクルする記

 おだやかな日和。
 午後から北上。新宿くんだり→wsd→tdbb。
 
 慇懃なアニキの店を覗く。
 レジの中でアニキと若旦那(これも慇懃)、なにやら話し込んでいるので
 クルクルを物色しながら耳を傾けていると、どうやら髪型の話らしい。
 髪型か。髪型ってやつを久しぶりに思い出した。
 なにしろ、中年の頭から髪型というものが失われて久しい。
 もともと名前のない髪型がぼさぼさにのび放題。
 それを帽子の中に押し込む。
 帰宅して帽子をぬぐと、あたまの中がかわいそうなコトになっている。
 そういえば、「・・・ほんとにアウディに似てますね」と
 ちょっとタメてふくかいちょうに言われた、あの夜のコトを思い出す。
 いや、髪型がどうとかじゃなくて、もっと根本的にアウディなわけだけど。

 それはそうと、南下して新宿へ。
 中古屋へスポっと吸い込まれる。
 とにかく、なにも考えてないらしい。
 知恵遅れ的な人(客)が、店員に何度も同じコトを質問していた。
 人のフリミテなんちゃらかんちゃら。

 「じ、じゃあ、明日は忙しくないですか?」
 「忙しいかも知れません。晴れるみたいですし」
 「は、晴れると忙しいですか。それはなんでですか?」
 「晴れるとお客さんがいっぱいくるからです」
 「は、晴れるとお客さんが、い、いっぱいくるんですか? そ、それはなんでですか?」
 「晴れると、みんな、出かけたくなるからじゃないですか?」
 「そ、そうですか。で、あ、明日は、い、い忙しくないですか?」
 ・・・最初に戻る。
 そう言えばそういう何人かに、某線沿線の中古屋でよく出くわす(した)。
 ワタスはよく覚えているけど、
 ああいう、知恵遅れ的な人は、ワタスのコトを覚えているのかしら?
 またこいつかよ、とぼくが思うように、向こうも
 またこいつかよ、クルクルパーが。とか思ってるのかしらね?

 夜。
 民生食堂で肉(のようなもの)を食っていると、
 目の前にカップルがいて、やはり肉(のようなもの)を食っていた。
 女が独特な感じの美人。なんというか、眼を吸い付けられてしまう感じの。
 それが肉をぱくぱくと食べているので、どうも視線がさまよって落ち着かない。
 男のコトを「キミわさー」とか「だからキミわ」とか呼んでいる。
 ちょっとアレな人なのかと思った。
(「独特の美人」というのは、どうもそういうテイストからくるアレのようだ。)
(なんなんすかね、あーいうの。ただのオタク?だれか分析して)
 結局余計気になって、ますます視線が泳いでしまった。
 帰投。 



 局長から日記でおへんじ。僕からもおへんじ。
 感じたストイシズムというのは、
 すごい厳選して考えて作ってるなーーーという程度の意味で、
 当たり前のことかも知れませんにゃ。
 ただ、ぼくは作る時、こういう集中力ないなーーーという程度の意味で。

 局長の選ぶアレは、
 おんがくの濃度というか純度みたいなのが高い感じがする。
 たとえば、AORっぽいやつも、僕がイメージするような下世話で享楽的なアレが全然なくて
 表現性というか、純粋さはたもったまま、ひたすら洗練を重ねたSSW作品という感じ。
 わき目もふらず、正面から音楽が好きという感じ。
 (ある種の)雑味とか、不純さとか、下世話さとか、猥雑さとか、
 おんがくに関係ない要素とか、通俗的(ぽっぷ)なかんじが、ぜんぜんない。
 それ以外の、ぜんぶがあるようなかんじ。おんがくばんざいmix。いま命名
 時間や時代を飛び出してしまった、俗世間と無関係なイイ曲ばかり入ってる。

 深いとか浅いとか、そういうアレは、
 僕はちょっと独特のアレがあるから、アレかも。
 欲しいクルクルにお金を払ったりする時も、クルクルを聴いてうわーすげーイイ!と思う時も、
 明日は全然違うかもしれないとか、クルクルとか突然興味なくなるかも、とか
 そういうコトを常に考えながら(キモに命じながら)だから。