塹壕へ飛びこむ熱と光、速度

 かえりみち。いつもの場所で一服。
 最後の跳躍から、塹壕の底に着地する瞬間。たばこ一本分。
 自分より先に、前方に落ちてゆく、熱や光、速度を見送る。たばこ一本分。
 たばこ一本分、後からついてゆく。



 
 あたりを震わす、ひかりの疾走。
 間一髪。塹壕の中から、眺めていた。

 【now】さんのライオンのチョッキがおれを直撃した。
 あんなの着てピアノを弾き唄われたら、全身ショックで惚れ死ぬだろうなあ。 




 獣のようにピアノを弾き、うなりをあげるライオンの、
 はがねのような重い爪に押えつけられ、頭から喰い殺されたい。