おふろでロック




 晴だかくもり。
 なにしろ空を見ると消耗するので、そのあたりおぼつかない。
 あつい。よる、すずしい。
 だけど、チャリをネリネリこぐとあつい。

 夜の教会に行くと、歯っかけさんがいて、
 相変わらず、棚のパンをすごいスピードで、右へ左へアレしていた。
 めくるめく、その一挙手一投足にみとれる。
 異様に、動きに無駄がない。
 無駄に、動きに無駄がない。
 聖体パンを持ち帰り、食う。
 それから、だいたいぐんにゃりする。
 夜中、思い出してあわてて洗濯するなど。

 m永せんせいは朝風呂するそう。
 (「はいはいボイス」なのに、また「ろっくんろ〜る☆学園」みたいなゆるゆるで最高。
 夜だから先生に怒られないのだろうか。)
 風呂でぶくぶくしたりするのが(先生なのに親しみやすくて)イイ。
 なんとなく、ロックっぽいなあと思う。
 そういえば、イヤちゃんも風呂で潜水するらしい。
 こちらも、文豪を鼻にかけてなくてイカす。
 ワタスはといえば、長らくぶくぶくしていない。
 ひさしぶりにぶくぶくしたいもんだ。
 湯舟を張るのは贅沢な気がして、気が引けるからな。
 湯舟を張るのは、けっこう決心が必要だから、
 めんどくさくなって、いつもシャワーにする。
 イヤちゃんの暮らし向きも、だいぶん質素な感じがするけど、
 それでも、ちょくちょく湯舟を張るあたり、
 小粋だなあ、ニクいぜと、いつも思う。
 貧乏してても、心はロックスターだと思う。
 いや、貧乏してても、風呂場はライブステージなんだと思う。
 やりたい放題、暴れまくって、放蕩しつくすぜい。
 ワタスなんかは貧乏な上に、それに輪をかけて心が貧乏ですからね。なかなか。
 湯舟の底に沈んで、目をあけて、
 ゆらゆらする水面を見つめたいよなあ、久しぶりに。
 そういえば、ぶくぶくしないかわりに、ここ数年、
 電器をつけずに、真っ暗にして風呂に入るのがマイブーム中である。
 真っ暗なまま、頭やら体やら洗ったりすると、しまいにゃ
 なにしてんだか、よく分らなくなってきて、なかなかイイ感じである。
 そういうコトをしていると、十回に一回くらい、
 タニザキの『火腿白菜』のコトを思い出したりする。
 
 そういえば、先輩が
 「ボディソープのコーナーを凝視しながら2分くらい立ち尽くす」
 と、書いていたけど、アタスなんかは10分くらいはザラだね。
 必要か不必要か、真剣に迷うよね。
 それから、シェービングジェルね。しゃらくさいけど。
 あれがないと剃刀負けしまくって、血だるまになるんですよワタクス。
 まあ、もうこの際、血だるまでもいいのかも知れないけどさ。
 石鹸でもつけとけよってアレなんだけどさ。
 これ、買うか買うまいかって、本気で迷うよ。
 なんつうか、剃刀負けする前に、
 もうすでに店頭で負けてるんだよね。