イタバス




 昼起床。
 ひとり銀輪作戦。別にあてもなく北上。
 久しぶりに、ぎらっとした陽射しを感じる。
 もくもくしている白い雲の上のほうが光っているのを眺めながら走る。
 より道しながら、イタバス区に入った頃には、また雲行きが怪しくなっていた。
 ちょうど一年前に歩いたトコを、また見てみる。
 ひと気のない、うす暗い路地を、かさかさと枯れ葉が転がったりして
 しみじみする。
 ひとりとふたりじゃ、しみじみ感が全然違う。
 あちこちと、惹きつけられる場所に、気が済むだけ佇んでみる。
 イイ物件に出会った時、
 ふたりだと、「オオスゲ」という感じ。
 ひとりだと、「いま、ワタスは息をして、生きているんだなァ」という感じ。
 「嗚呼、いろいろあんけど、この先どうなっていくんだろうなァ」
 「でも、いま、とりあえず生きてて、ここにこうしているんだなァ」
 「ぜんぜん意味分んねえなァ」
 「意味分んねえけど、ここにこうしているってのは、生きてるって感じがするなァ」
 という感じ。
 日が暮れたのでオウヅに移動。「みのめんた」でつけ麺を食す。
 店を出るとどしゃぶり。でた。
 あーもーどうでもいいッスわ、と傘もささずに
 ひたすら南下して帰投。いつものベンチでプリンを食う。
 よる。家でぐにゃぐにゃする。
 うつろな気分で、便器を磨いてみたり。
 ああ、足が痛いな。